「ローカル5G」とは、地域や個人などのニーズに応じ、さまざまな主体が自らの建物や敷地内で、スポット的に柔軟にネットワークを構築して利用できる「第5世代移動通信システム」のことをいいますが、導入するためには、内容に応じた次の手続きが必要となります。


電気通信事業法に基づく、電気通信事業の登録申請または届出

電気通信設備を使って「他人の通信を媒介」し「他人の通信の用に供する」役務を提供しようとする事業者は、次の内容に応じて、登録または届出の手続きが必要となります。

・端末系の伝送路設備を設置する場合、設備が一市町村の区域を超えるなら「登録」、超えないなら「届出」

・中継系の伝送路設備を設置する場合、設備が一市町村の区域を超えるなら「登録」、超えないなら「届出」

・基幹放送及びその他の無線局の無線設備を、設置するなら「登録」、設置しないなら「届出」

 

電気通信事業法に基づく、電気通信番号使用計画の認定申請

ローカル5G運用のために「自ら構築したコアネットワーク設備(HLR/HSS)」で役務を提供しようとする事業者は、IMSI(携帯電話などの利用者識別番号)の番号使用計画認定申請が必要です。

なお、この設備を自己通信用にのみ提供する場合、総務省に申請し総務省から指定を受ける「999-002」から始まるIMSIを使う必要があります。また、ローミング(事業者間の提携による、利用者の契約エリア以外(提携先事業者のエリア内)でのサービス利用)は禁じられています。
 
 

電波法に基づく、無線局の免許申請

ローカル5Gを導入する場合は、全国MNOの事業者(自ら基地局を設置し、携帯電話サービス用及び広帯域移動無線アクセスシステム用の周波数を使う事業者)を除き、無線局開設のための免許申請が必要です。

この申請には「第三級陸上特殊無線技士」の方を無線従事者とする必要があります。

無線局の免許申請は常時受け付けがされていますが、申請から免許取得までは、約1ヶ月半程度かかります。
なお、ローカル5Gの導入当初はNSA構成(4G/LTEの設備の流用)で行われますので、28GHz帯の無線局開設の手続きに加え、自営等BWAの無線局開設手続きなども要する可能性があります。
※自営等BWAの免許は、全国MNOまたはその子会社等の関連企業は取得できません。

以上のように、ローカル5Gの導入に関しては、電気通信事業法と電波法の2つの法律に関する手続きが必要となります。
これらの手続きは当事務所でサポートできますので、お気軽にご連絡ください。