「ローカル5G」は、事業者が今まで使っていた大手キャリアからの通信回線に変えて、5G(第5世代移動通信システム)を国から直接割当てを受け、基地局を設置し多くの端末を接続することで、安定性、セキュリティレベルの高い、特定範囲のみで使用することができる通信方法です。

また、屋内や工場などで利用するスマートファクトリー、敷地外などで利用する重機などの遠隔操作、警備への使用、大型施設や競技場などでの安定した高速通信などの可能性を期待されています。

ローカル5Gを導入する場合は、全国MNOの事業者(自ら基地局を設置し、携帯電話サービス用及び広帯域移動無線アクセスシステム用の周波数を使う事業者)を除き、次のような手順で無線局開設のための免許申請を行う必要があります。

①ローカル5Gを導入する予定の土地や建物内に、次の無線基地局を設置する
・5Gの基地局
・自営等BWA(4G/LTE)の基地局
※導入当初はNSA構成(4G/LTEの設備の流用)で行われるため、自営等BWAも設置します。

②ローカル5G導入に必要な、次の要件を満たしているかどうかを確認する
・全国MNO(全国キャリア)の事業者ではないこと
※子会社などの関連企業は、自営等BWAの免許は取得できませんが、5G基地局の免許取得は可能です。
・5Gを導入する予定の土地や建物の、所有者、賃借権や借地権を持つ土地利用者、所有者からシステムの構築を依頼された事業者の、いずれかであること
・無線従事者として「第三級陸上特殊無線技士」の資格者を選任すること
※空中電力100Wを超える場合には「第一級陸上特殊無線技士」の資格者が必要となります。

③所在地を管轄する地方総合通信局へ、無線局開設のための免許申請を行う
申請書及び申請手数料の他、無線局の開設目的、設置場所、使用する無線機の工事設計などを記載した添付資料を提出します。
また、複数の陸上移動局を運営するためには「包括免許」を取得する申請が必要となります。

④総合通信局で、免許状交付を受ける
申請から免許取得までは、約1ヶ月半程度かかります。

以上の手順により、ローカル5Gの導入に必要な無線局開設のための免許を取得することができます。
なお、全国MNOの場合はローカル5Gと違い、特定基地局の「包括免許」を取得する必要があります。