「電気通信番号使用計画」とは、2019年5月公布の電気通信事業法改正に伴い、電気通信番号を使用して電気通信役務を提供する電気通信事業者の方が作成し、認定を受ける手続きが新たに必要となったものです。

この「電気通信番号を使用して電気通信役務を提供する電気通信事業者」とは、電話番号を顧客ごとに新たに設定して使用する電気通信事業を行う方のことをいいます(例:携帯電話番号など)。

電気通信番号使用計画は、従来制度の対象であった電気通信番号の指定を受ける電気通信事業者(FNO(固定回線通信事業者)やMNO(移動体通信事業者))を含めた、次の電気通信事業者が対象となります。

①光回線などの固定回線網を全国的に持つ電気通信(FNO)事業者

②固定電話番号に係る転送サービスを提供する電気通信事業者

③すでに番号の指定を受けてサービス提供している電気通信事業者

④FVNO事業者(固定通信事業者から通信ネットワークを借り受け電気通信役務を行う事業)

⑤MVNO事業者(他の電気通信事業者から無線通信インフラを借り受けて、音声通信やデータ通信の電気通信役務を行う事業)

上記のうちの①~③の電気通信番号の指定を受ける電気通信事業者は「電気通信番号使用計画」を作成し、総務省の総合通信基盤局へ申請して、電気通信番号使用計画の認定を受ける必要があります。

【電気通信番号使用計画の認定申請】

申請を受けた総務大臣は、作成された電気通信番号使用計画が国で定められた基準(電気通信番号計画)に照らし合わせて適切かどうか等を審査し、認定(併せて電気通信番号を指定)します。

認定を受けることで、電気通信番号の指定を受ける電気通信事業者はその事業を行うことができますが、この電気通信番号使用計画は、電気通信番号の種別(たとえば0AB0は、0120・0800/0170/0180/0570/0990)ごとに作成する必要があります。

認定は、電気通信事業者ごとに受けることになります。
逆に言えば、自ら指定を受ける電気通信番号が1つでもあれば、すべての電気通信番号の認定申請を行う必要があります。
また、すでに固定電話番号の認定を受けている方が新たに特定IP電話の電気通信番号使用計画を追加する場合には「変更認定の申請」を行う必要があります。

なお「プレフィックス(国際電話をかける際などの、特定の電気通信番号に前置する電気通信番号)」の電気通信番号使用計画は不要です

※「利用者設備識別番号(IMSIを除く)」の指定を受けている場合には、プレフィックスの指定を受けているものとみなされます。

一方、上記④⑤のFVNO事業やMVNO事業を行う方などの「電気通信番号の指定を受けていない事業者」は、電気通信番号使用計画を作成・保管し、それに関わる電気通信事業を行った年度末に、国で定められた計画基準を満たしている旨を報告することで「みなし認定」を受けることができます。
「みなし認定」を受けるためには、次の2つのいずれかの電気通信番号使用計画を作成・保管する必要があります。

【電気通信番号使用計画のみなし認定(別表第1を使用する場合)

電気通信番号使用計画のみなし認定が必要な電気通信番号の指定を受けていない事業者は、原則「標準電気通信番号使用計画」の「別表第1」を使って作成します。

ただし、別表第1に合致しない電気通信事業者の場合は「別表第2」を使用する必要があります。

別表第1に合致しない事業とは、次のような場合です。

・電気通信番号の使用の態様が卸元事業者のものと異なる事業

※これは電気通信番号を使う電気通信役務について登録または届出をしている区分が、卸元事業者の事業の全部または一部と同じであるかなどで判断します。

・転送電話サービス等は卸元事業者がサービス提供しているが、独自に電気通信設備を設置し、別のサービスを提供する事業

なお、いわゆる単純再販型は、別表第1を使用した「みなし認定」を受けることができます。

別表第1に合致しない事業者として別表第2を使用する場合とは、次のような場合です。

【電気通信番号使用計画のみなし認定(別表第2を使用する場合)
別表第1に合致しない「別表第2」を使用する必要があるのは、次のような事業です。

・固定電話番号(0ABJ)を使用する事業(電話転送役務を提供している事業を除く)

・データ伝送携帯電話番号(020)を使用する事業

・音声伝送携帯電話番号(070、080、090)を使用する事業

・特定IP電話番号(050)及びIMSIを使用する事業

以上の電気通信番号の種別であれば多くの場合、別表第2を使用した「みなし認定」を受けることができます

なお、電気通信番号使用計画の認定は膨大な数の電気通信番号使用計画が審査されますので、申請後に認定を受けるまでの期間は、申請者によってさまざまです。数ヶ月の方もあれば、半年以上を要する場合もあります。