これから行おうとするサービスが電気通信役務に該当する場合は、次にどのサービスが電気通信事業に該当するのかどうかを判定していかなければなりません。

電気通信事業に該当するか否かは、以下の項目をチェックします。該当する場合は、「登録・届出が不要な事業の判定基準」に基づいて、さらに判定を行います。

  • 他人の需要に応ずるものであるかどうか
  • 事業であるかどうか
  • 放送局設備供給役務であるかどうか

電気通信事業に該当するか否か
 
 

「他人の需要に応ずるものである」場合とは

他人の需要に応ずるものである場合とは、電気通信役務の提供について他人の需要に応ずる場合をいいます。

ですので、例えば、ある方が自らの業務の遂行に当たって又はそれに付随して電気通信設備を業務上の関係を有する他人との通信の用に供することは、自己の需要に応じているものですので、基本的にはこれに該当しません。

もっとも、営利目的で電気通信回線や端末機器を他人の通信の用に供する場合は、それにより結果として自らの業務上の通信を行っているとしても「他人の需要に応ずる」ために行っていると判断される場合もありますので、注意が必要です。

その判断材料としては以下のようなものが挙げられます。

  • 提供者にサービスの提供の誘因行為や宣言的行為があり、それを示す提供条件があること
  • 提供者と利用者との社会的関係から、当該サービスの提供に積極的意思が認められること

 
 

「事業である」場合とは

事業である場合とは、主体的・積極的意思、目的を持って同種の行為を反復継続的に遂行する場合をいいます。

ですので、①非常事態時に緊急、臨時的に行うもの、②一時的に行うもの、③提供者が利用者の法的権利に応えて行うもの(例:警察、消防等の相互通信)は事業とはなりません。

事業であるためには、提供者にサービスを提供するという主体的・積極的意思(提供条件の公表等により客観的に判断)が必要です。

サービスの提供に営利目的が認められる場合には、当然、主体的・積極的意思があるものと判断されますが、営利目的がない場合にも、主体的・積極的意思が認められることもあります。

また、事業というためには、電気通信役務を独立して提供するものであることが必要で、他のサービスに付随して電気通信役務の提供を行う場合は、事業とは言えません。もっとも、電気通信役務以外のサービスと複合させて電気通信役務を提供することが全て事業に当たらないという訳ではなく、あくまで、電気通信役務の提供が独立した事業として把握できる(情報の送受信それ自体がサービスとして独立性があるものと認められる)かどうかが判断基準となるのです。

 
 

放送局設備供給役務であるかどうか

「放送局設備供給役務」(放送法第118条第1項)とは、基幹放送局設備を認定基幹放送事業者の基幹放送の業務の用に供する役務のことをいいます。

以前は、「有線テレビ放送等」に該当するか否かが判断基準でしたが、法律の大幅な改正により、現在の放送法ではその基準が変わりました。ご注意ください。